奈良少年刑務所 (旧奈良監獄) が 2017年3月31日、老朽化のため閉鎖され、146年の歴史に幕を閉じた。26歳未満の初犯の男性受刑者を中心に、平成以降で最大約900人を収容してきた。現存の五大監獄として国の重要文化財にも指定されている。その刑務所の姿をとどめた内部の収容棟や単独室(独居房)などが全面的に公開された。今回の2017年7月16日が最初で最後の一般公開。
旧奈良監獄 (奈良少年刑務所 老朽化のため2017年3月31日閉鎖) は,明治政府による第一期監獄改築計画の一つとして計画された。設計は司法省営繕課長の山下啓次郎とみられ,明治41年に完成した。敷地中央に建つ中央看守所及び事務所を中心として5棟の舎房を扇形に並べるほか,敷地内には附属工場や拘置監など一連の施設が良好に保存されている。中核となる建物群は,ロマネスクを基調とした煉瓦壁の外観で統一され,左右対称の整然とした計画で配置されており,意匠的にも優れている。明治政府が刑事施設の国際標準化を目指して計画した監獄の希少な遺構として歴史的価値が高い。(文化庁)
中央の看守所から放射状に延びる五つの収容棟が特徴的な赤れんが造りの建物は、1908(明治41)年に建てられた。司法省(当時)に勤めていた建築家の山下啓次郎氏が設計した五大監獄(千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島)のうち、現存の刑務所として最後まで使われ、国の重要文化財にも指定されている。
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撮影 2019/10 旧奈良監獄